まこと在宅クリニック神奈川県央 元院長の 一般社団法人湊会代表理事の宮崎 良平と申します。私は横浜市立大学の脳神経外科に入局し、脳神経外科専門医として急性期医療を中心に診療を行って参りました。  急性期医療はやりがいのある仕事でしたが、一人一人の患者さんとゆっくり向き合う時間が取れない悩みもありました。

 平成30年より大学院に在籍し研究を行う傍ら、在宅医療や外来診療を中心とした医療に携わる機会を頂きました。そこで得た患者さんとじっくり向き合う経験を通して自分が本当にやりたい医療・診療は地域に根ざした在宅医療であると気づきました。小さい頃に自分が医師を志すきっかけとなった身近な人々を癒し助ける人になりたいという想いが蘇り、自分の医師像の核に再度触れた瞬間でした。

私どもの在宅医療の方針は大きく3つの点があります。

1 確実な医療の提供

まこと在宅クリニックでは『在宅でしっかりとした医療を提供する』ことを大切にしています。医師の使命として患者さんの健康状態をしっかりと管理することが重要と考えております。必要のない薬であれば少しずつ調整し減らしたり、新たに薬が必要になれば適切に処方する。定期的な検査でお身体をしっかりと把握する。こうすることで健康な生活を送る手助けになると考えております。

2 『人』と『人』の関わり

我々が訪問する際は、家族・親戚・友達の家にお邪魔するような感覚で伺っております。特に高齢の患者さんの家に伺う際は、自分の祖父や祖母の家に行く気持ちになります。そういった心持ちでいると自然と患者さんの生活が見えてきます。好きな食べ物、嫌いなこと、こだわり等々。医師と患者という関係性を超えて、親子や、友達、孫と祖父母のような関係になっていきます。すると不思議なことに患者さんの方から元気を分けて頂けることが多く診療が終わる頃には私の悩んでいたことがすっかり解決していることがよくあります。

3 患者さんを取り巻く人々との関わり

多くの場合、患者さんはご家族もしくは施設で施設職員の方々と暮らしております。多くのご家族や、施設職員の方々が患者さんの体調の変化や患者さんとの生活に関する悩みを抱えていらっしゃいます。患者さんと生活を共にする方々が生き生きされていると患者さんの状態も良くなります。我々在宅診療に携わる医師が患者さんのみでなく、その周囲の方々も合わせて診ることで良好な在宅医療を提供できると考えております。